B「ローエングリン」よりエルザの大聖堂への行列
作曲:リヒャルト・ワグナー(Richard Wagner)
編曲:ルシアン・カイエ(Lucien Cailliet)
「ローエングリン」では「第三幕への前奏曲」や「結婚行進曲」等、オーケストラで単独に演奏する機会も比較的多いのですが、「エルザ」は吹奏楽の定番ながらオケで演奏されなくなった経緯があります。それは編曲者であるルシアン・カイエの手腕によってこの楽曲が吹奏楽曲として独り立ちした、という事が考えられます。
第2幕の終盤近く、エルザがローエングリンと婚礼を挙げるために聖堂に赴く際の曲に関しても、冒頭のフルート・クラリネットの掛け合いにオーボエが絡むという特徴に着目し、その印象を聴衆に印象づけ全体に管楽器の旋律が多い特色を活かし厚みのある後半部へ導くアレンジになっています。
実はこの曲、原曲では敵役の魔女オルトルートの横やりが入って突如音楽が止まってしまうのですが、そこを違和感なく、和音そのままに壮大なエンディングに仕上げる所は見事と言うべきでしょう。